低気圧と体調
天候と体調
低気圧ですぐに体調が悪くなるので、その理由を考えてみました。
人間、ほとんどの人が、天気によって気分も体調も左右されることと思います。
雨の日は憂鬱になる。
晴れの日は何だかすがすがしい。
蒸し暑い日はイライラする。
人によって違うとは思いますが、だいたいこんなところでしょうか。
自閉っ子は、低気圧で機嫌が悪くなったり、逆にハイテンションになったりと、多数派の人よりもより強く影響が出ることが多いようです。
どうして、低気圧が来ると、体調が悪くなるのでしょう。
一般的には、自律神経に影響するからだと言われています。
では、どうして自律神経に影響を及ぼすのでしょうか?
それに、本当に理由はそれだけでしょうか?
動物にとっての低気圧
私は、自閉っ子が「人間と動物の間の駅のようなものである」という、世界的に有名な動物学者で、高機能自閉症者の、テンプル・グライディン博士の言葉に、そのヒントがあるのではないかと考えました。
では、動物にとって、低気圧とはどんなものなのか、考えてみましょう。
低気圧とは、周りの気圧と比較して、気圧が低い部分のことです。
その部分では、大気の動きにより、雲が発生しやすくなり、雨が降りやすくなります。
自然科学の話ですね。
動物ににとって、雨が降るとはどういうことでしょうか。
雨が降ると、空が雲に覆われて、日が差さないので、気温が下がります。
また、雨で体がぬれると、その水分が蒸発するときに、体温を奪っていきます。
気化熱です。
夏はこの気化熱を利用して、打ち水をし、地面の温度を下げますよね。
それと同じことが、体表で起きるわけです。
すると、どうなるでしょう?
急な雨に降られて、ずぶぬれになった経験がある人なら、お分かりになるでしょう。
体力が、一気に奪われます。
例え、真夏の暑い時期であっても、ずぶぬれになるとものすごく疲れます。
これが人間だったら、家に帰ってすぐお風呂に入り、乾いた服を着て、身体を温めることができます。
しかし、自然界で生きている野生の動物は、一旦濡れてしまうと、乾くまで時間ががかります。
そのうえ、乾かすことでより一層、体が冷えてしまいます。
野生の動物にとって、体温が下がってしまうということは、命の危険に直結します。
風邪でも引こうものなら、すぐさま死につながります。
ということは。
野生の動物にとって、低気圧をいち早く察知することが、重要になります。
自分の身体がぬれてしまわないように、木の陰などに身をひそめ、じっとしている必要があります。
あまり動き回っては、身体がぬれてしまい、命の危険があるからです。
人間も、動物です。
だから、本能的に、低気圧は避けるべきものだ、という判断をしているのかもしれません。
これが、人間にとって、低気圧が来ると「怠い」とか、「体が重い」とか、「なんとなくやる気が出ない」という状態になるのでは、と思うのです。
人間と動物の間
これは、あくまで私の勝手な仮説です。
でも、私自身は、これで納得しています。
特に自閉症スペクトラム者が気圧の変化に弱い理由も、「野生の動物に近いから」「本能が強いから」という理由で、納得できます。
自分の命を守るための行動が、多数派よりも強く表れているのかもしれません。
大災害が起きたとき。
生き残るのは、案外、自閉症スペクトラム者かもしれませんね。