発達障害の中のどこにいる?
発達障害もさまざま
一口に「発達障害」と言っても、中身は様々。
広い意味では、知的障害も発達障害に含まれます。
さて。
以前、ツイッター上で、自分は分類のうち、どれにあてはまるのか?
という話題がありました。
あっちではアスペルガーと診断され。
こっちでは広汎性発達障害と診断され。
混乱することも、多いようです。
私は、いまのところ「自閉症スペクトラム障害」もしくは「自閉スペクトラム症」と
「ADHD」という名称を使うことで、自分の特性を説明することにしています。
細かく考えてみたけど
それまでは、自分は「高機能自閉症」なのか。
「アスペルガー」なのか。
それとも、「PDD-NOS(特定不能の広汎性発達障害)」なのか。
ずいぶん、悩みました。
(現在はこれらの分類はされなくなっています)
診断した医師は、当初は「高機能…ってやつだとおもうよ」と濁したし。
カルテには、単に「PDD」としか書かれていない。
だから、高機能広汎性発達障害であることははっきりしていても、こまかい分類が分からなかったのです。
自閉症のうちわけ
ここで、まず、発達障害の分類について説明しようと思います。
ここでは、「自閉症」に限って取り上げます。
そして、これは私なりの解釈なので、間違っている部分もあるかもしれません。
こまかいことは、ご自身でお調べください。
まずは、図示しておきましょう↓
1、知的障害の有無
知能は、同じ年齢の子どもたちの平均的知能を100として、それよりどのくらい高いか低いかで判断します。
大体、IQ70くらいがボーダーとして設定されているようです。
2、自閉度の高低
自閉がどのくらい濃いか、という指数です。
自閉度が高い=自閉が濃い、特性を強く持っている、ということです。
3、1と2を合わせた図
知能の高低、自閉度の高低で、ある程度分類できます。
知能が低く、自閉度が高い(知的障害のある自閉症・いわゆる古典的自閉症)ものを、一般的に自閉症と呼びます。
知能が低いと低機能自閉症、中くらいなら、中機能自閉症と呼ばれることもあるようです。
あまり耳にしませんが。
知能がボーダー以上で、自閉度が高い場合を、高機能自閉症と呼びます。
同じく、知能がボーダー以上で、自閉度が割と高い場合を、アスペルガー症候群と呼びます。
高機能自閉症とアスペルガー症候群を分けるのは、「幼児期の言葉の遅れの有無」のみだと言われています。
なので、研究者によって、どちらも同じであるという人もいれば、別のものである、という人もいます。
特性が薄い、そのどこにも当てはまらないタイプや、診断時に基準を満たしていなかった(発達が遅れすぎて特性が現れていなかった場合など)を、ひっくるめて特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)としています。
これらすべてをまとめて、「広汎性発達障害」と呼ぶのです(図では、赤で囲まれた部分)。
また、高機能自閉症、アスペルガー症候群、知的障害のないPDD-NOSをひっくるめて、「高機能広汎性発達障害」とも言います。
以上が、私がいろいろ調べて、理解したことです。
ただ、今では少々古い分類となっています。
一つながりの連続体
現在は、図の4にあるように、自閉度はある一点で区切られるわけではなく、虹のようにグラデーションであることから、自閉症スペクトラムという考え方が普及しつつあります。
アメリカでの最新の診断基準では、アスペルガー症候群という名前が削除されました。
私の場合
さて、私は「高機能広汎性発達障害」と診断されたわけですが。
では、高機能自閉症、アスペルガー症候群、PDD-NOSのどれにあてはまるのでしょうか?
(知的障害はありませんので、自閉症は最初から除外されます)
幼児期の言葉の遅れは、ありませんでした。
なので、高機能自閉症ではない、ということになります。
では、アスペルガーか?
いや、PDD-NOSか?
どちらだ?
診断後、ずいぶん悩みました。
私の立ち位置は、どこなんだ?
悩みに悩んで、もう考えることに疲れたとき。
自閉症スペクトラムという考え方があるし。
診断した先生も、「自閉症はスペクトルになっていて、真っ黒から真っ白まである。君は真っ黒ではない(重度自閉ではない)。でも、決して真っ白ではない。灰色なんだ」と言っていたし。
「じゃぁもう、私は自閉症スペクトラムの高機能タイプだっていうことで、いいんじゃない?」
と決着がつきました。
実際、障害の説明をする必要があるときは、「自閉症スペクトラム」と伝えることにしています。
病院などでは、「自閉症」とついている方が理解が早いこともあり。
けっこう便利です。
ブログでも、そう書くようになり、自分の中でも「自閉症スペクトラム」の立ち位置が、確立してきました。
障害名にこだわらない
今では、こまかい分類は、どうでもいいと感じています。
病院の先生も、「自分はどういう特性があって、どういうことが苦手で、何が得意なのか。それがわかっていれば、それでいい」と考えているようです。
精神科領域の診断名は、まだまだ発展途上なこともあり、どんどん変わっていくそうです。
今つけた診断名が、将来まで通用するとも限らない。
だから、病名・障害名にはこだわるな、と。
如月は、「自閉症スペクトラム障害(自閉スペクトラム症)」と「ADHD」です。
こうして、今は、アイデンティティが確立しています。