ADHDと遺伝の関係は?
ADHD配電するのか?
さて、今回は、前回書き残した「遺伝」に関するお話しです。
ADHDでは、ほかの発達障害に比べ、遺伝する確率が少し高いと考えられています。
ADHDを有する家族には、ほかにもADHDを有する人がいる確率が高いことや、養子や双子の比較研究の結果から、遺伝の可能性は否定できていません。
ただし、ADHDにおける「遺伝」は、障害がそのまま遺伝するのではなく、あくまでADHDになりやすい「体質」が受け継がれるという意味でとらえたほうが、正しいと思われます。
一卵性双生児であっても、両方共がADHDと診断される確率は、100%ではないのです。
ですから、「遺伝」というよりは「家族性」といったほうが適切かもしれません。
一般的に言う、「ガン家系」や「糖尿病家系」といったニュアンスに近いものです。
遺伝の確率
遺伝の確率に関しては、様々な説があります。
・両親が二人ともADHDであれば、その子どもがADHDである確率は最低でも20%
・兄弟にADHDの人がいれば、ほかの兄弟がADHDである確率は25~30%
・両親のどちらか一人がADHDであれば、子どもがADHDである確率は50%
・兄弟にADHDの人がいると、ほかの兄弟がADHDである確率は、兄弟にADHDの人がいない場合に比べて5~7倍になる
など、様々な情報があります。
これらの情報がどこまで信用できるかはわかりませんが、少なくとも、遺伝の可能性は完全には否定できません。
ADHDは、必ずしも遺伝するわけではありませんが、脳内伝達物質であるノルアドレナリンやドーパミンのアンバランスを招きやすい体質が遺伝する、ということは十分に考えられます。
あくまで、病気が受け継がれるのではなく、「ADHDの素質が受け継がれる」ということです。
様々な要因が絡み合っている
ADHDの症状が出るには、遺伝だけでなく、ほかの要因が複雑に絡み合って、一定の基準を超えることが必要になると考えられています。
ですから、不必要に遺伝することを恐れることはない、と思っています。