kaleidoscope

自閉症スペクトラム障害、ADHD、うつ病を抱える如月の万華鏡のような頭の中を、書き連ねていきます。わわわアールブリュット作家。

発達障害と親子関係

親子関係も難しい

発達障害を抱える人たちと、交流する中で思ったこと。

それは、親子関係が難しい人たちが結構いる、ということです。


特に、自閉症スペクトラム障害は「社会性(対人関係)の障害」や「コミュニケーションの障害」があるのですから、親子関係において問題が発生しても、不思議なことではないと思います。

むしろ、親子関係に問題がないことのほうが、少ないかもしれません。


私自身、母親とはそこそこうまくいっていますが。

父親の理解がなく、辛い思いをすることが多々あります。


母親には、通院のこと、先生に言われたこと、私のものの考え方や感じ方、全て説明しています。

大人になってから自閉症スペクトラム障害であるという診断を受けましたが、それもなんとか理解してくれています。


しかし、父親にはまだ理解が難しいようで。

というより、理解する気がないようで。

拒否的な態度を取るので、詳しくは説明していません。

母親が、折を見て少しずつ伝えてくれているようです。

最近は、ずいぶんとマシにはなっていますが、それでもまだまだ…。


母親は主婦で、私と弟をずっと見て、育ててきました。

父親も、比較的子育てにかかわるタイプでしたが、それでもずっと一緒にいた母親に比べれば、子どもへの理解はどうしても劣ります。

それは、仕方のないことかもしれません。


しかし、子どもの状態を理解しようという意思を持つことは、それとは関係がないと思います。

 

精神障害へのイメージ

父親は、自分の子どもが障害者であることに、抵抗があるのかもしれません。

我が家の場合、父方の祖母が中途失明で視覚障害者であったため、身体障害であればもうすこし抵抗なく受け入れたのかもしれません。


しかし、精神障害発達障害に関しては、目に見える障害ではないため、うちの父親の年代(60代)には、理解しがたいのでしょう。

そして、「精神障害は隠すもの」というイメージを持っているように思います。

また、発達の凸凹という状態が理解できず、「どうしてこれは出来るのに、あれは出来ないんだ」と思っているようです。

 

それぞれの立場で感じること

大人になってから診断を受けると、それまで「普通の子」として育ててきた親としては、なかなか受け入れがたいものがあるのでしょう。

 

それに対し、自分が「普通の子」ではないのに、「普通の子」になるように育てられてきた本人にとっては、今までの親の指導の数々が、虐待として受け止められるかもしれません。

そこでより一層、親子関係がねじれてしまうのかもしれません。


成育歴の中で親に対する不信感を持ってしまったり。

自己肯定感が低下してしまったり。

それが「障害」のせいであったと気付かされ、混乱している本人にとって。

親が理解していないということは、この世で一人ぼっちだという感覚に陥ります。

親も頼りにならない存在だと認識してしまいます。


親だって、苦しんでいるのかもしれません。

それも、分からないではないですが、やはり一番つらいのは本人だと思うのです。

 

人間関係の基本である家族関係

早期発見が重要な理由には、親子関係のねじれを極力減らすということも含まれるのかもしれません。

 一度こじれてしまった関係は、修復するのに莫大な時間とエネルギーが必要です。

対人関係の障害を持つ自閉症スペクトラム障害者だからこそ、家族という一番身近な人との関わりで疲弊してしまうのかもしれません。


社会復帰や社会で活躍することを支援する前に。

家族関係・親子関係の再構築という支援が、もっとも必要とされるのかもしれません。