うれしい配慮
どんな配慮が必要?
「発達障害には、特別な配慮が必要です」というのはよく耳にすると思いますが。
では、実際どんな配慮をすればいいのか?
どんな配慮をしてもらったら、当事者は助かるのか?
配慮をする方も、してもらう方も、それぞれ困っていることも多いと思います。
今回は、配慮をしてもらう側として、どういうことが嬉しいか、ちょっと書いてみようと思います。
ただし、これはあくまで「私の場合」です。
皆が皆、同じではありませんので、そのあたりはご理解ください。
私のことを分かってくれている人たちのことを例にしようと思います。
気持ちに寄り添ってくれて、うれしい
一番嬉しいのは、私の気持ちに寄り添ってくれることです。
その場で、私が、言葉として、「嫌だ」とか、「イライラしている」ということを言わなくても、何となく察知してくれる人がいます。
自分の気持ちをその場で理解して、言葉にすることが苦手なので、とても助かります。
その人は、私の調子が良くて、機嫌がいいときには、私が返事をしなくても、沢山話しかけてくれます。
そして、私が苦手なことを、どうしてもしなければならないとき。
「嫌だ」のときは、一旦その行為を止めてくれたり、私が納得出来るように説明をして、私がそれを受け入れられるよう、うまく誘導してくれます。
納得して受け入れても、どうしても拒否してしまうようなときは、無理に押し進めたりはしません。
少し休憩をはさんで、クールダウンするまで待ってくれます。
どうしても続けなければならないときは、あとどのくらい我慢してほしい、ということを、具体的に伝えてくれます。
「あと○秒がまんして」といったように、です。
普段、私の気持ちに寄り添ってくれる人だから、私も、その人の期待に応えようと努力します。
我慢してと言われれば、必死で耐えます。
その人の言うことなら、聞こうと思いますし、一言一句逃さないように、一生懸命に耳を傾けます。
離れてくれて、うれしい
「イライラしている」時は、下手に私を刺激するようなことは、しません。
話しかけるのも、最小限に。
耐えきれなくなって、パニックを起こすぞーっていう前触れがあれば、気付いてすっと離れてくれます。
私が爆発してしまうと、周りの人に被害が及ぶので(乱暴とかそういうことではありませんが)、離れてくれると、とても嬉しいです。
私の方から離れられればいいんですが、イライラを必死にこらえている状態で、自分からその場を去ることにまで頭が回らないこともあります。
そんな時は、相手が離れてくれると、とても助かります。
私が一人で黙っているときに、放っておいてくれるのは、とても助かります。
関わってほしいときは、自分からかかわりに行きます。
何度も根気よく説明してくれてうれしい
言われたことが分からなかったとき、私の態度からそれを察知して、もう一度説明してくれることも、嬉しいです。
分からなくてパニックになりかけているときに、自分から「分かりません」が言えません。
あと、今どうすればいいのか分からないときに、私の様子からそれを察知して、「○○して」と教えてくれるのも、ありがたいです。
これも、どうしていいかわからなくて混乱して、「どうするの?」と聞くことができないことがあるので、とても助かります。
放っておいてくれてうれしい
私の機嫌がとてもよくて、関わってほしい、相手をしてほしいと思っている時以外は、放っておいてくれるのも、本当に助かります。
関わってほしいと思っていないときに、関わられると、なんだかとても邪魔をされたような、土足で踏み込まれたような、不快な気持ちになることがあります。
そのあたりが、付き合ううえで難しいところなのかもしれません。
困っている時、関わってほしいとき以外は、放っておくというのも大事かもしれません。
一人の人間として
こんなところでしょうか。
発達障害、特に自閉症スペクトラムに関しての対応ということで書いてみました。
自閉っ子も、多数派と同じ人間です。
その時々で、気分も違います。
ただ、その気分がうまくコントロールできなかったり、不快をうまく伝えられなかったりするのです。
それを、態度や行動から読み取ってもらえれば、こんなに嬉しいことはありません。
ただし、多数派が空気を読め!というのではありません。
気づいたときに、そうしてもらえるとありがたい、というだけです。
私は、以上のような配慮が、とても嬉しいですし、ありがたいと思います。
他の人は、また違う配慮が、嬉しいこともあるでしょう。
それぞれの個性に合わせて、考えてもらえると嬉しいと思います。
私は、私を一人の人間として、上手に扱ってくれる人に、感謝しています。