指定席(場所へのこだわり)
大事な指定席
私には、家の中に指定席があります。
食卓での指定席は、どの家庭でもあるものだと思います。
それと同じように、食卓以外にも指定席があります。
指定席と言ってしまえば聞こえはいいですが。
ズバリと言ってしまうと、「ここに座らないといけない場所」です。
家族がそろってテレビを見たりくつろいだりする部屋にも、私の指定席があります。
父親は、いつもだいたい同じ場所に寝っころがっています(しかも部屋の隅)。
時々、母親が私の指定席に座っていることがあります。
完全に指定席に座っているわけではなくても、私の席に半分かぶるようにして座っていることがあります。
そんな時は、私は「ちょっとどいて」といいながら、母親を押しのけて、自分の席を確保します。
落ち着かない
どうしてもそこでないといけない理由というのは、特にありません。
でも、そこに座らないと、なんだか落ち着かないのです。
座る場所によって、見える景色が違う。
テレビから聞こえてくる音も、違う。
蛍光灯の光の当たり方も、違う。
いろんなことが、違うのです。
それで、落ち着きません。
外出先でも
外でも、できる限り、同じ場所に座ろうとします。
ただ、外では人を押しのけてまで座ろうとはしません。
それはしてはいけないことだと、分かっているので。
でもやっぱり、いつもと違う席は少しイライラします。
自閉度の強い子で、こだわりの強い子だと、電車やバスで、他人を押しのけて座ってしまうこともあるそうです。
安全が保障されている
人間は基本的に、最初に座った場所に、二回目以降も座るという傾向があるそうです。
それは、一度座った場所は安全であるという確認ができているからだ、と言われています。
人間も、動物です。
やっぱり、安全が保障されている場所が、一番落ち着くのです。
その傾向が、こだわりとして強く表れ、人との関係に摩擦が生じてくると、「障害」とみなされるわけです。
ただ単に、わがままを言っているのではなく。
そういった、本能的な理由も裏には潜んでいると考えてみてください。
少しは、理解が易しくなるのではないでしょうか?