kaleidoscope

自閉症スペクトラム障害、ADHD、うつ病を抱える如月の万華鏡のような頭の中を、書き連ねていきます。わわわアールブリュット作家。

ラジオ(チャリティーミュージックソン)に出演しました!

本日、なんと私、ラジオの生放送に出演してまいりました!!

12月24日~25日は毎年、日本放送を中心とした各地のラジオ局で、チャリティーミュージックソンという企画が行われています。

そのチャリティーミュージックソンに、なぜかお声がけをいただき、出演させていただきました。

 

何のチャリティかというと、「目の不自由な人に音の出る信号機を」という目的の募金活動です。

あの、「カッコー」とか「ピヨピヨ」と鳴る信号機です。

ラジオは視覚障害の人にとって、大事な情報ツールですので、そういった催しがもう30年以上(かな?)行われているそうです。

 

今回の地元の放送局のテーマは、「来年の全国障害者文化祭に係わる人」とのことで、去年・今年と2年連続で県の障害者アート展で「感動大賞」を受賞し、来年も参加予定の如月に白羽の矢が立ったようです。

オファーが来たとき、如月ごときに務まるんだろうか?と思いましたが、このような機会はもう二度とないかもしれないと思い、お受けすることにしました。

 

CMや中継込みで2時間ちょっとだったので、私の出演はだいたい1時間ほどだったでしょうか。

その中でお話したのは、だいたい次のようなことです。

 

●アールブリュットとは?

アール・ブリュットとは、既存の美術や文化潮流とは無縁に制作された芸術作品、つまり、専門的な美術教育を受けていない人が、湧き上がる衝動に従って自分のために制作する絵のことです。

 

●如月さんの障害は?

病院では、発達障害非定型精神病と言われています。発達障害は、知的障害のない自閉症スペクトラム障害ADHDの分類が当てはまります。

(障害に気づいたきっかけ、障害が発覚するまでの経緯なども含めてお話しました)

 

発達障害って何?

 一言でいうのはとても難しいのですが、発達障害は、いくつかの脳の不具合の総称で、脳の働きが多数派の人とは少し違う状態のことをいいます。とても難しいことをやすやすとやってのけるのに、とても簡単なことができないなど、能力の凸凹の差が大きく、生活に支障を来たします。

 

発達障害で困った経験は?

発達障害の人が困っていること、苦手なことは、人それぞれです。

(ざっと私の苦手なことを説明し、特にバスに乗れない理由エンジンの低音と振動、光などのことを話しました)

まぶしいことへの対策としてメガネのレンズに色を入れ、音が辛いことへの対策としてイヤーマフを使っています。

イヤーマフの実物を見せ、聴覚過敏マークを紹介)

周りの理解と、自分自身を理解して工夫することが大切です。

 

●周りはどうすればいい?

 これも、発達障害の人は十人十色の困りごとを抱えているので、一言では言えません。専門的な知識がなくてもできることとしては、泣き叫んだり固まってしまっているようなパニックを起こしている場合には、静かで安全な場所へ連れて行って、休憩させてほしいということでしょうか。できれば、まぶしくない、少し薄暗いくらいの場所がいいです。

 後ろから話しかけられるとびっくりしてパニックになってしまう人もいるので、話しかけるときは必ず前から話しかけてください。

 また、発達障害の人に限らず、何らかの困難を抱えている人は、「ヘルプマーク」や「ヘルプカード」といった、周囲の人に助けを求めるためのキーホルダーのようなものや、カードを持っていることがあります。(実物を見せる)

 これがカバンや体のどこかについていないか、探してみてください。その裏には、その人が何に困っているのか、どう対処してほしいかが具体的に書いてあります。それを参考にしてもらえればと思います。

 

●コロナ禍で変化は?

私にとってのコロナ禍は、そこまで変化はなかったかもしれません。私はもともと引きこもりがちだったので、「みんなが出歩かずに家にいる、いなければならない」という状況は、ある種の救いとなりました。

 「ひきこもりは悪」という風潮が、一気に「家にいることが正しい行い」となったからです。

 テレワークの導入が一気に広がり、出歩くことに困難のある人にとって、いろんなことに参加しやすくなった面もあると思います。実際に、私は遠くて行けなかったコンサートに、ネット配信で参加することができ、「これなら移動が困難な人でも参加できる!社会が変わる!」と感動しました。

(本当はマスクをつけることが困難な人がいる、ということも言いたかったのですが、時間の都合で言えませんでした)

 

●社会への提言

まず伝えたいことは、誰もが、障害者になる可能性がある、ということです。人はみんな、生きている限り、事故や病気、加齢などで障害を抱える可能性を持っています。

 皆さんにお伝えしたいことは、ただ一つです。「世の中にはいろんな人がいる、自分の知らない世界がある」ということを忘れないでほしい、ということです。

少し変わった人を、のけ者にしたり、そういった場面に遭遇したことはありませんか?

そういった時に、「少し変な人だけど、何か事情があるのかな?」「奇妙な行動をしているように見えるけど、何か事情があるんだろう」と、少しだけ想像力を働かせて、考えてみてほしいのです。

「何か事情があるんだろう」と思えること。それはつまり、「誰にとってもやさしい世界」への入り口だと思うのです。

 ほんの少し、温かい目で「きっと事情があるのだろう」と思ってもらえること。それだけで、生きやすくなります。

 

だいたいこんな感じでしょうか。

 

「描いた絵には思い入れがあって、子供のようなものなんでしょう、手放したくないのでは?」と聞かれて。

「それが、全然ないんです。描いた後はどうでもいい。買いたい人がいたらいくらでも売っちゃう」と答えたら、司会の落語家さんはびっくり仰天、ラジオのスタッフさんは爆笑でした(;^ω^)

 

曲のリクエストができたので、よみぃさん作曲のDAN(D's adventure note)を流していただきました。

公共の電波で、よみいさんのお名前をコールさせてもらっちゃった(〃▽〃)

 

ラジオ出演では、 緊張したし、何を言うかすごく頭を使ったけど、絶対に伝えたいことは言えたと思います。

短い時間だから、ホントにさらっとしか触れられなかったことばかりで、伝えたいことはもっとたくさんあるんだけど。

でも、少しでも多くの人が「へぇ、そういう人がいるんだ」って思ってくれていたらいいなと思います。

司会の落語家さんと、「落語にも発達障害っぽい人いるよね、でも長屋の人たちとか暖かく見守って手助けしてくれるよね、そういう社会になるといいな」っていう話もしました。

 

司会の落語家さんが、「よくこの場に来てくれたと思う。自分のことを話すのは、とてもしんどかったでしょう。君は強いね、素晴らしい」と言ってくださいました(#^ ^#)

他の方からは、「話が分かりやすくて、言葉に力があって、訴える力があって、とてもよかった!」と言っていただきました。

 

自分のことを公表すること、私はそんなに抵抗がないから大丈夫なんだけど、褒められたのは素直にうれしいです(*'▽')

それより、発達障害と診断されてから今までに考えてきたことを、公共の電波で話す機会をいただけたことに、感謝感謝です。

 

放送の裏で、司会の落語家さんが言っていました。

落語家さんにも、生きづらさを抱えた人が結構いて、自死しちゃった人もいる、と。

だから、生きづらさを抱えた人に寄り添いたい、と。

そういう風に思っていてくれる人がいること、すっごくうれしかったです。

 

如月を応援してくれているたくさんの人たちも、放送を聞いてくれていると思います。

現場に駆けつけてくれた人もいました。

本当に、如月は人に恵まれているなぁ、幸せだなぁと思います。

こんな機会をいただいちゃって、もう本当に感謝しかありません。

 

本当に、貴重な時間を過ごせました。

これは一番のクリスマスプレゼントかもしれません(*'▽')