幸せになるための条件(楽観的になるには)
楽観主義・悲観主義
以前、NHK「心と脳の白熱教室」を見ました。
第二回目は、主に楽観脳についての講義でした。
楽観主義と悲観主義とは何か?というテーマ。
まずは実例を挙げていました。
大富豪なのに、悲観主義の人は、地下鉄に飛び込み自殺してしまう。
ホームレスで、お金もなく家もないのに、自殺しようとした人を命がけで助け、「人生には生きる価値がある。だから、人生を放棄してはいけない」と語れる楽観主義者。
楽観脳と悲観脳は、性格をも左右してしまう。
生物学上、人間は主に恐怖と快楽に強く反応するようにできている。
それが、楽観主義と悲観主義の原因である。
(このあたりは、第一回目の講義の内容です)
認知バイアスをうまく利用する
認知バイアスは、時に人間を良い方に導く。
たとえば。
鏡に映る自分を見たときに、「私って綺麗!」ととらえるか。
「わぁ、醜いな、私って」ととらえるか。
そこにも、認知バイアスが絡んでいる。
大抵は、惨めな自己像を投げかけている。
社交不安障害の人の場合、ネガティブな自己バイアスがかかっている。
ある人が、自分の患者に実験をした。
患者は、人前で赤面することに恐怖を抱いていた。
顔中が真っ赤になって、イチゴのようなぶつぶつが沢山顔に出ると主張する患者。
口紅のような真っ赤な斑点が、顔に出るのだという。
カウンセラーは、その患者をカフェに誘った。
そして、自らの顔に口紅で水玉模様を描き。
そのまま、コーヒーを注文して、何事もなく戻ってきた。
そして、患者にこう尋ねた。
「どう?今、何か起こった?」
患者は答えた。
「何人か、気付いたようだけれど、きっと少し変わった人なんだなって思ったんでしょうね、そのあとは何も起こらなかったわ」と。
そして、その患者は社交不安障害を克服したそうです。
本人に、認知バイアスに気づかせることが大事。
本人が思い込んでいるほど重大ではないことを知らせることが大事だ、とのこと。
今までは、不安障害やうつの研究のために、悲観脳のバイアスについては注目されていました。
しかし、最近では楽観脳のバイアスについても、注目されるようになった、と。
楽観脳のバイアスについて研究することで、不安障害やうつの人の治療に役立つそうです。
満足度テスト
自分を心から幸せにしてくれるものは何か?
について。
幸福の定義は千差万別だが、それを計る「人生の満足度テスト」と言うものがあるそうです。
私もやってみました。
結果は、23点。
だいたい満足している、そうです(*^^)v
安心感
子どもにとっては、親との愛情関係、守られているという安心感がとても大事だそうです。
子どもにとって、1人以上、信頼できる大人がいる(親でなくてもいい)、ということは重要なこと。
それによって、楽観的な脳になることができるそうです。
金銭面の安心感は、楽観脳にとって重要だと、先生はおっしゃいました。
それは、今の私にはとても良く理解できます。
貧乏は、うつを悪化させる。
経済的不安は、悲観の元になると思うのです。
しかし、先生はこう言いました。
「金銭面の安心は重要だけれど、余分な富は意味はない。最低限必要な金銭があればよい」と。
無駄な豊かさは必要ない
豊かすぎると、個人の幸福度は逆に下がってしまうという研究結果があるそうです。
自分より少し良いものを持っている人と比べてしまう。
自分より少し、立場の良い人と比べてしまう。
そうすることで、満足度が減ってしまう。
その比較がバイアスを生み、悲観的志向になる、と。
冒頭の、富豪なのに自殺した人がこの例だと。
次のレベルを目指そうとするがために、人は自分を追いつめてしまう。
本来考えるべきは、「自分を幸せにするには何が必要か?」ということなのに。
他人と比較して、悲観する。
自分に正直になる
楽観的でいるためには。
自分に対して、正直でいること。
自分は本当は何がしたいのか?
どうすれば幸せだと感じられるのか?
それを考えることが、大事なんだそうです。
心理状態
人間の精神状態は、次の三つに分けられるそうです。
1 うつ状態
2 パッとしない状態
3 万事が順調
多くの人は、2のパッとしない状態だそうです。
つまり、これがいわゆる「普通」の状態。
では、3の「万事が順調」になるためには何が必要か?
友人や家族、、よい社会的つながり、具体的な目的があること。
それらが、「自分は順調だ」と思うためには効果的なんだそうです。
ポジティブな思考を持つことは、心の回復力に直結する。
人間は、生まれてから、感情のコントロールを学んでゆく。
心の回復力に優れた人は、最初からそうであったのではなく。
経験した情緒的出来事が多く、訓練されてきたのである。
そのため、感情のコントロールが身についている。
楽観主義とは
楽観主義者とは、辛いときでも、喜びの感情を見つけ出し、幸福を感じられる人のこと。
楽観的な人に共通するのは、「現実的な楽観視」をしているということ。
物事はきっと好転する、と長期的に物事を考えることが、健全な楽観主義者だ、ということでした。
しかし、完全に楽観主義・完全に悲観主義の人などいなくて。
みんな、楽観主義と悲観主義の両方を持っている、と。
楽観性の心理テストがあったので、やってみると。
13点でした。
わたしはちょっと悲観的なようです。
楽観主義とはなにか?
・ポジティブな思考
・ポジティブな行動
・根気と粘り強さ
・自分の人生をコントロールしているという感覚
この四つがそろっていることが条件だそうです。
楽観脳の人は、悲観脳の人より、根気よく考える。
(とことん突き詰めるのは、自閉症スペクトラムの人にありがちなこと。もしかすると、本当は楽観脳なのかも?)
自分の人生を自分でコントロール出来ていると思うことは、非常に力づけてくれる。
健康にも、楽観主義は影響しているそうです。
ある修道院で見つかった、修道女たちの日記を研究してみると。
若いときから楽観的な人は、悲観的な人に比べて、生涯を通して健康で、寿命も長い。
そんな結果が出たそうです。
楽観的な人は、チャンスがある立場に自らを置く傾向がある、とも言っていました。
打ちのめされにくい、あきらめない粘り強さが、成功をもたらす、と。
(自閉症スペクトラムの人は、二次障害を発生させなければうまく生きていける可能性がある、というのは、きっとこういうことなのでしょう…。)
楽観主義を強化したいなら、ポジティブシンキングになるだけではだめで。
上記の4つの項目すべてを強化することが大事だそうです。
人生に生かしていこう
なるほど…。
今回も、非常に勉強になりました。
粘り強さ…私は、持っています。
楽観主義になる基礎はある、ということ。
そもそも、基本的には楽観主義な部分も結構あるんです。
悲観的になっているのは、ちょっと脳内のバランスが崩れているだけで。
そのバランスを、もう一度もとにもどしていけば。
また、上手に生きていくことができるかもしれません。
とにかく、少しずつ、少しずつ、自分の人生を肯定して。
楽観的に生きていきたいと思います。