kaleidoscope

自閉症スペクトラム障害、ADHD、うつ病を抱える如月の万華鏡のような頭の中を、書き連ねていきます。わわわアールブリュット作家。

住みやすい環境

人にやさしいとは

最近、というか、ずいぶん前からかもしれませんが。

人にやさしい住宅とか、人にやさしい環境とか、「人にやさしい」なんていう枕言葉が流行りです。


人にやさしいって、どういうことか、よくわかりませんけど。

人にやさしい環境を整えるには、ハード面ではなく、ソフト面の改革のほうが重要なんじゃないかと思うことも多々ありますが。

だって、ねぇ。

今までにいろいろ見てきましたけど、一番人にやさしくないのは、人間ですよ。


さて、それはその辺に置いておいて。

今回は、住みやすい環境というものを考えてみようかと。

 

住みやすい環境って?

多数派の人間にとって住みやすい環境というのは、交通の便が良くて、スーパーが近所にあって、空気が汚れていなくて…といったところでしょうか?

 

少数派であるASDの私たちにとっても、それは基本的には同じです。

しかし、多種多様な感覚過敏を持ち合わせている人間にとっては、それ以上に大事なことが、いくつもあります。

 

聴覚過敏と環境

私の場合、聴覚過敏がありますので、できるだけ静かなところがいいです。

今住んでいるのは、幹線道路が目の前にありますから、夜中でも大きなトラックが走って行きます。

その走行音が、うるさいです。

また、住宅街ですから、近所の家の物音が聞こえます。

気にならない音もありますが、結構いろいろと気になってしまう音が多いです。


たとえば、斜め裏の家のインターホン。

隣りの家の人が階段を下りる足音。

少し離れた家で使っている、掃除機のモーター音。

あと、道路工事なんかで使う発電機のモーター音もしんどいですね。

近所のマンションの子どもの叫び声。


これらは、住宅街では仕方のないことです。

だから、我慢するしかありません。

でも、毎日がストレスです。

これを避けるには、山の中の一軒家に住むしかありませんね(笑)

虫の声や雨の音、風の音といった、自然の音は全く気になりません。

人工的な音がストレスなようです。

 

気温

 

気温があまり高くならない場所であることも、必要です。

コンクリートに囲まれた住宅街では、真夏は死にそうになるほど暑いです。

家の壁は太陽に焼かれ、部屋の中は熱帯です。

地面は熱せられ、コンクリートは夜になっても放熱しています。

土の地面だったら、ここまで酷くはないでしょう。

体温調節が苦手なので、暑い環境はとても辛いです。

これも、山の中で暮らすしか、解決方法はありませんね(笑)

 

嗅覚過敏と環境

嗅覚過敏を持つ私には、都会の空気は臭いです。

近隣の家から出る匂い。

車の排気ガスの匂い。

いろんな匂いがします。

家の前の川が、時々、腐ります。

その匂いも、辛いです。

でも、雨に濡れた土や山の匂いは、平気です。

海の匂いも、好きです。

自然の匂いは、平気なのです。

 

視覚過敏と環境

道路のアスファルトには、ガラス片が混ぜてあって、太陽の光をギラギラと反射して、まぶしいです。

道路の白線も、光を大量に反射して、まぶしいです。

視覚過敏の私には、攻撃的な道路です。

やっぱり、土の道路がいいです。

 

 自然の中で暮らすのが向いている?

今思いつくことだけを取り上げて書いてみましたが。

やっぱり、自然の中で暮らす方が向いている人間なのかもしれません。

ASD者は、多数派よりも自然と仲が良い、とも言われています。

本来、人間は自然とともに生きてきた生物です。

それが、今は非常に無理をして、自然をコントロールして生きています。

そして、沢山の自然災害が起こっています。


所詮、自然はコントロールできるものではないのです。

古来、人間のほうが、自然を敬い、畏怖して暮らしてきたのです。

それを忘れてしまっていることが、不自然なのではないでしょうか。


私が求める、住みやすい環境というのは、本来の人間としての生き方なのかもしれません。