感情は遅れてやってくる
自分の気持ちがわかりにくい
発達障害の人は、自分の感情がわかりにくいといわれています。
自分で自分の体調や感情をモニタリングする機能が弱いために、そのような状態が起こると考えられています。
確かに、私も自分の感情がわかりにくく、数時間、あるいは数日経ってから、ある場面における自分の感情に気づくことがしばしばです。
その瞬間瞬間の自分の気持ちが、わかっているようでわかっていない。
例えば、ある人とお話をしていたとしましょう。
その人とは、価値観も合うし、話も合って、楽しいなと感じています。
確かに、楽しいと感じているのです。
しかし、それは井戸端会議における楽しさや、映画を見て楽しいと感じるような楽しさと同じ感覚なのです。
しかし、数時間、あるいは数日経ってその時のことを思い出す(正確には、頭の中に映像として流れている)と、その時に私は、「とてもうれしい」「幸せだ」と感じていたことに、気づくのです。
感情を引きずる
うれしいとか、幸せだと感じたときは、その感情を引きずっても問題はありません。
しかし、その逆の場合は、少々困ったことになります。
誰かと話をしていて、もやもやした気分になることがあります。
しかし、その場では、何が嫌なのかわかりませんし、そもそも自分が気分を害していることすらわかりません。
なんとなく、もやっとして、普通に話を続けます。
その数時間後、私はその時に嫌な思いをしていたことに気づきます。
「○○と言われて嫌だった」
「あの人が言ったことは、私はすごく反感を持った」
など、ネガティブな感情を抱えていることに、時間が経過してから気づきます。
嫌なことがあったとき、その場で「いやだ」と言えればいいんですが。
その場で自分が「いやだ」と感じていることに気が付かない。
後から気づいても、時すでに遅し。
「今更嫌だったなんて言えない」という状態で、もやもやした気持ちを処理できず、引きずったままになってしまいます。
その感情を処理できないまま、次にその人と会うと、もやもやした気持ちが蓄積されていきます。
帳消しになるくらいの良いことがあればいいのですが、毎回嫌なことをされると、その場で「いや」と言えないことが積み重なり、我慢できないくらい嫌いになってしまうのです。
信頼度にもよる
後から思い出したときに、「うれしい」「幸せだ」と感じることが多い相手に対しては、たいていその場の感情だけで「いやだ!」が言えます。
しかし、なんとなくもやっとすることが多い相手だと、その場で「いやだ!」が言えないという謎の現象もあります。
おそらく、信頼関係によるものでしょう。
何度も、うれしいとか、幸せだと思わせてくれる人は、信用できるから、その場の感情だけで「いやだ!」と言い切ってしまえるのだと思います。
人間関係への影響
こんな風に、自分の「今の気持ち」に気づきにくいことによって、人間関係がうまくいかないということがちょくちょくあります。
相手の気持ちが読めないことよりも、自分の気持ちがわからないということの方が、人間関係において問題かもしれません(´・ω・`)