メルトダウン
心のメルトダウン
メルトダウンって、一時沢山聞いた言葉だと思います。
原発事故の時に、聞きましたよね?
メルトダウンという言葉の意味を調べてみると。
「炉心溶融とも呼ばれる。原子炉の重大事故の一つで、冷却機能の故障により、炉心の温度が異常に上昇し、核燃料が融解することを言う。燃料の大部分が溶け、圧力容器の底に溜まった状態をメルトダウンと呼ぶ。」
とあります。
しかし、今回の記事で取り上げる「メルトダウン」は、原発事故のメルトダウンではありません。
ASD(自閉症スペクトラム)の人に起こる、「メルトダウン」です。
自閉症におけるメルトダウン
以前、ツイッターでこんな記事が注目されました。
メルトダウンに陥ったASDの女性の動画です↓
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52194431.html
この「メルトダウン」、アメリカでは一般的に使われている言葉のようです。
日本で言う自閉症スペクトラムの「パニック」のことです。
しかし、「パニック」というと、なんだか「パニック障害」と混同されそうで。
少々気になっていました。
なので私は、パニックのことを「メルトダウン」と表現していました。
主治医に報告するときも、「メルトダウン」と伝えていました。
アメリカではそう呼ばれているとも知らず…。
最近、アメリカでは「メルトダウン発作」と呼ばれていると知って、本当に驚きました。
メルトダウンの時の心の状態
私も、仕事をしている時、ストレスやなんやらでいっぱいいっぱいになってしまって、
家に帰ってから、大爆発を起こして。
酷い時は、毎日帰宅後にメルトダウン。
泣いたり。
頭をガンガン叩いたり。
それは、「パニック」というようなものではなくて。
本当に、「メルトダウン」という言葉の方が適切だと思うくらいの激しいものです。
メルトダウンのときは、外から見たら、訳が分からなくなっている「パニック状態」に見えるかもしれません。
しかし、本人の心の中は、こんなことが起きています。
沢山の刺激に、溺れてしまっていて。
異常な興奮状態になって。
エネルギーが大爆発していて。
冷却装置もうまく働かなくなっていて。
心の中はどんどん高圧になっていって。
行き場がなくなったエネルギーが爆発的に放出される。
どうにも処理のしようのない、訳の分からない感覚は、泣き叫んだり、頭を壁に叩きつけたりという行動として昇華しようとします。
私も、実際に泣き叫びましたし、頭をガンガン自分でたたきました。
心がいっぱいいっぱいになっている時。
本当に些細な刺激で、簡単にメルトダウンしてしまうんです。
心の中は、原子炉のように、小さな粒々(いろいろな細かな刺激)がすごい勢いでぶつかっていて。
莫大なエネルギー(ストレス)を生み出しています。
それが、制御不能になって、心という容器を融かし。
中身がこぼれてしまいます。
そして、メルトダウンの後は、暫く呆然とします。
発電ができなくなっている状態です。
回復するまで、しばらく時間がかかります。
それも、メルトダウンに例えられる理由かな、と思います。
困らせるかもしれませんが、困ってるんです
メルトダウンって、周囲の人にとって、とても困った状態かもしれません。
でも、一番つらいのは、本人なんです。
制御不能に陥って、自分の心や体を傷つけたり、壊しててしまう。
本当に、しんどい状態なんです。
周囲の人のストレスを減らすことはもちろん、ASD当事者の心と体を守るためにも、メルトダウンの回数は減らさなければなりません。
本人の努力だけでは、どうにもならないことが沢山あります。
周りの刺激を減らしたり。
何が刺激になっているのか、理解したり。
多数派さんにとっては何でもないことが、メルトダウンのきっかけになることを、理解しておいてほしいのです。
もし、メルトダウンが起きてしまった時。
メルトダウンの間は、声をかけたりせず、そっとしておいたり。
静かに、見守ってほしいのです。
エネルギーの放出が止まるまで、危険なこと以外は、放っておいてほしいのです。
内側から見たメルトダウン。
こんな感じです。
いかがでしょうか?