「話す」という能力
言葉が出てこない
昔からそうなんですが。
私、伝えたいことが上手く言葉にならないのです。
こうやって文章にすれば、どんどん言葉が出てきて、言いたいことが書けます。
でも、しゃべろうとすると、うまく文章にならない。
伝えたいことが、正しい言葉として出てこないのです。
たとえば、ハンドソープがなくなったから詰めておいて、ということを伝えたい時。
「三階の…石鹸…」
それだけ言うのが精いっぱい。
「三階の石鹸がなくなったから、足しておいて」と、文章でなら書けます。
なのに、話すと、その文章が口から出てこないのです。
虹を見つけたとき。
「虹が出てるよ!見に来て!」と言いたいのに。
「虹! 虹! 虹!虹!虹!」と連呼することしかできません。
頭の中では、文章ができているのに。
どうしても、「虹が出てる」という文章が、口から出てこないのです。
言葉が消えていく
興奮している時や、あわてているときはなおさらです。
伝えたいことを伝えようと焦れば焦るほど、言葉は消えていってしまいます。
まるで、私の興奮した激しい気持ちが大きな圧力となって、言葉のシャボン玉を、できた端からつぶしていってしまうようです。
話しかけられた時も、うまく答えることができないので、頷くか首を横に振るだけ、なんてことも多いです。
これは、話したくないのではなく、言いたいことがあっても、話したくても、とっさに言葉が出てこないからです。
自分で自分にイライラ
落ち着いて話していても、言葉にならないこともある。
そんな時は、自分で自分にイライラします。
相手が言いたいことを想像して、先回りして言ってくれることもあるけれど。
それが外れていることが多くて、余計にイライラ。
どうして、言葉が出てこないんだ!
違う、そういうことが言いたいんじゃない!
ちょっと待って!今言葉をさがしてる!
そんな風に、イライラしてしまいます。
だから、決まり文句のようなものがあると、助かります。
前の仕事は、ほとんど決まり文句でしゃべっていたので、接客でも仕事ができていました。
何百通りもの決まり文句を覚えて、その中から選んで話せばいから、話せていました。
要するに、アドリブが効かない、といったところでしょうか。
だから、どうでもいいような会話ができない。
その瞬間に、適切な言葉を発することができない。
文章を書くことと話すことは、別の能力
一体、頭の中で何が起こっているのでしょう。
言葉を文章にすることと、しゃべることは、どうしてこんなに違うのでしょう。
全く違う能力なんですね。
だから、ネット上での会話は、とても楽です。
生でしゃべると、間を考えたり、消えゆく言葉を必死で追いかけたり、沢山のことをしなければなりません。
文章を目で追いかけることが、できません。
不思議です。
その代り、言葉が話せないくらい小さい子や、言葉を苦手とする障害を持つ子たちとは、なぜかテレパシーのようにコミュニケーションが取れます。
本当に、不思議です。
考えていることを話すという能力。
それについて、もっと研究が進めばいいと思います。