横目
自閉っ子の特性の一つとして、「横目で物を見る」ということが取り上げられることがあります。
斜視で、横目で物を見ているように見えるからといって、自閉症を疑われた、という話を身近に聞いたこともあります。
横目の方が見えやすい
私も、横目で物を見ていることが、時々あります。
横目といっても、完全に目が端まで寄っているわけではなく、中心で見ていない、といった感じです。
要するに、真正面で物をとらえていない状態です。
今、こうして記事を書いている時も、顔を少し左へ向けて、中心からずれた位置でパソコンの画面を見ています。
どうしてそうするのか、自分でも分かりません。
でも、何となく、真正面で見ると疲れる気がするのです。
右なり、左なり、少し視線が横を向いている方が、物が見えやすいような気がします。
見えるものが面白い
道を歩いているときは、金網フェンスが横を通り過ぎていくのが面白くて(実際には自分がとおりすぎているんですけど)、横目でずっと見ていることがあります。
最初は壁のように平面に見えていたフェンスが、だんだんと隙間が見えてきて、その隙間も、移動するとともに形を変える。
それが、面白くて見ています。
だからといって、完全に横を向いてしまうとまっすぐ歩けませんから、目は自然と横目になります。
道を歩くときは前を見て!と、幼いころから叩き込まれてきましたから、頭だけ前に向けてしまうのかもしれませんが(笑)
自転車に乗っているときも、道端の看板に気を取られて見入ってしまい、うっかり正面にあるものにぶつかりそうになったりします。
それが車だった時は、ヒヤリとします。
人を見るとき
見る対象が人間だと、なおさら顔を少し横に向けて、斜めに見ていることが多いです。
それは、相手と目が合うのが苦手だ、ということと関係があるかもしれません。
まっすぐに目が合ってしまうと、凄い威圧感を感じてしまいます。
しかし、斜めに見ることで、鏡に当たる光が、ある角度になると反射するように(入射角と反射角の関係)、視線がそれるように感じるのです。
斜めに見ることで圧迫感を減らしている、と言えば、分かっていただけるでしょうか。
真正面に相手がいるのに、目を合わさずに横を見ているような目つきをしているからといって、その相手が嫌いなわけではありません。
むしろ、相手が言っていることを聞き取ろうと、必死になっているからこそ、目線をそらせているときもあります。
そうしなければ、目からの情報が勝ってしまい、耳がお留守になるからです。
また、相手をしっかりと見たいからこそ、横目で見ていることもあります。
横目に意味がある
私にとって、横目で物を見ることは、意味のあることです。
話をする時は相手の目を見て、なんていいますが、それができる人はそうすればいい。
相手の目を見ると他のことができなくなる人も、いるのです。
そもそも、動物にとって、視線が合うことは敵対の意思を表します。
威圧感を感じるのは、そのためです。
なのに、目を合わさないことが失礼にあたるなんて、一体だれが決めたのでしょう?
世間的には、態度が重要なようですが。
本当に大事なのは、態度よりも、話の内容なのです。
コミュニケーションの取り方が、多数派と違っていて、理解しがたい部分もたくさんあるかもしれません。
でも、少数派は少数派なりに、多数派とコミュニケーションを取ろうと努力しています。
そのことは、忘れないでほしいな、と思います。