ADHDと仕事
ADHDと仕事
ADHDは生まれつきの脳機能の障害だということがわかったところで。
では、ADHDの人の仕事は、どうなの?という疑問もわいてくることでしょう。
ADHDの特性として、多動性、衝動性、不注意があります。
多動性、衝動性は大人になるにつれマイルドになることはありますが。
不注意は、結構残ってしまう症状です。
ADHDを抱えていると、仕事上で結構困ったことが起きてしまいます。
ADHDの人の仕事上の困りごと
・たくさんの指示を一度に出されると、どれから手をつけていいのかわからない
・あれこれ気になって、すべての作業に手を出してしまい、どれも片付かない
・詰めが甘くて、最後まで仕上がらない
・納期に間に合わない
・仕事を順序立ててこなすのが難しい
・約束や、しなければならないことを忘れてしまう
・時間の管理が難しく、遅刻してしまう
・じっくり取り組む事務仕事などが苦手で、先延ばしにしてしまう
・会議などで集中して話を聞くことができず、聞き漏らしてしまう
・ケアレスミスが多い
・短期記憶が弱く、長い指示が聞き取れない
・過集中で周りが見えなくなることがある
・大事な書類をすぐになくしてしまう
など
上記は、あくまで一例です。
仕事をする上での困難はもちろん、約束を忘れてしまったり、話を集中して聞くことができないことで、人間関係の悪化を招くこともあります。
仕事の向き・不向き
ADHDの人は、事務仕事には向かないことが多いようです。
どちらかというと、体を動かす仕事や、フットワークの良さが必要な仕事に向いていることも多いと思われます。
また、豊かな発想力が必要とされるような、クリエイティブな仕事に向いているともいわれれています。
しかし、それはあくまで「向いている可能性がある」というだけのことであり、必ずしも向いているというわけではありません。
また、一見不向きに見える仕事でも、やってみると案外向いているということもあります。
仕事の向き・不向きは、ADHDの人も健常者も同じで、やってみなければわかりません。
「ADHDだから、この仕事には向かない!」と言い切ることは、できないのです。
いろんな仕事を経験してみて、「これは向いていないな」「これは、向いているな」「これは、手助けがあればできるかもしれない」と、判断していくしかありません。
私の場合
私は、接客をしていた時は、それなりに仕事もこなせていました。
それは、毎回違うことを聞かれたり、とんでもない新しいことを聞かれるなど、常に状況が変わるという仕事だったから、続いたのかもしれません。
しかし、事務仕事に異動になったとたん、失敗が続き、自信を失って、仕事を辞めざるを得なくなりました。
今は、クリエイティブな仕事を、自宅でぼちぼちと行っています。
仕事ができないわけではない
ADHDの人は、健常者よりも向き・不向きがはっきりと出やすいけれど。
仕事ができないわけではありません。
いろいろなグッズを利用し、自分で自分に適した環境を整えることで、仕事がはかどるかもしれません。
周囲の理解を得ることで、得意分野を生かして仕事をすることができるかもしれません。
ADHDだから…と、仕事をあきらめるのではなく。
自分に合った仕事を探すため、いろいろな仕事に挑戦してみるのも、いいことだと思います。