自閉症スペクトラム障害の原因は?
自閉症スペクトラム障害の原因って、わかっているの?
自閉症スペクトラム障害について、いろいろと書いてきました。
自閉症スペクトラム障害の原因って、分かっているの?
どのくらいの人数がいるの?
今回は、それに関して書きたいと思います。
自閉症スペクトラム障害の人はどのくらいいる?
最近では、100人に1人とも、ごく軽いグレーゾーンの人まで含めると、100人に5人とも言われています。
また、自閉症スペクトラム障害に限らず、何らかの発達障害を抱える人は100人に10人はいるのではないか、とも言われています。
男女比は、自閉症スペクトラム障害の場合、重度・軽度に関係なく、だいたい男:女=4~5:1の比率になっているようです。
男性の方が、多いんですね。
自閉症スペクトラム障害の原因は?
自閉症スペクトラム障害の原因について、今のところはっきりと分かっているのは、「生まれつきの脳の機能の異常」ということだけです。
それ以外のことは、いまだ研究中で、はっきりとしたことは分かっていません。
ですから、「これで自閉症は治る!」という治療法はありません。
唯一効果的だとされているのが、早期からの療育です。
いろんな社会的なスキルを、身につけたり。
生活に必要なことを特別な方法で学びます。
療育を受けることで、自閉症が治ることはありませんが、自閉の症状をマイルドにすることは可能です。
持って生まれた能力にもよりますが、社会生活を送ることができるようになったり、穏やかに日々を過ごせるようになる可能性は、充分にあるのです。
今までに、水銀が原因であるとか、母親の接し方に問題があるなど、様々な憶測がなされてきました。
しかし、それらはどれも間違いであることが、証明されています。
水銀のキレート療法などが流行った時期もあるようですが、それで亡くなったお子さんもいらっしゃいます。
うかつに手を出すのは、危険です。
「自閉症は治る!」なんていう、もっともらしいことを書いた、怪しげなHPもたくさんありますが、効果のほどはいかがなものでしょうか。
自閉症スペクトラム障害自体、様々な症状があり、そもそも全て一つの障害であるのか、原因が違うさまざまな病気や障害などの外見として、「自閉症状」がでているのか、それさえも分かっていないのです。
ですから、腸内環境を整えれば自閉が軽くなったとか、牛乳を取らせないようにすれば軽くなったとか、グルテンフリーの食事に変えると良くなったとか、いろいろな民間療法のようなものがありますが。
それらも、個人によって効くかもしれないし、効かないかもしれないのです。
効いた人は、たまたまそれが原因で、自閉的症状が出ていたのかもしれません。
だからといって、全部の自閉症に効くとは限らないと思うのです。
自閉症スペクトラム障害に関する研究
自閉症スペクトラム障害についての研究は、欧米を中心として、日々進められています。
最近では、重度の自閉症の女性には、ある特定の染色体の変異が見つかった、と報告されています。
また、日本でも研究が行われており、二次障害の軽い、知的障害のない自閉症スペクトラム障害の男性の治験が行われ、オキシトシンによる対人関係の障害の改善の研究結果が報告されました。
オキシトシンの研究は、男性のみの実験でしたので、女性に対する効果は証明されていません。
また、知的障害を伴う自閉症への効果も、まだ実験されていません。
自閉症スペクトラム障害の人の脳には、「対人関係」「コミュニケーション」「常同性」に関わる広い範囲にわたる障害がある、とされています。
それが広汎性発達障害という呼び名の「広汎性」の意味です。
なぜ、その広い範囲に障害が引き起こされるのか?
まだまだ、謎ばかりなのです。
自閉症スペクトラム障害の研究に期待すること
これからどんどん研究が進んで、原因が明らかになって。
自閉症スペクトラム障害の人たちが、生き生きと過ごせる世の中になるように、祈ります。