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kaleidoscope

自閉症スペクトラム障害、ADHD、てんかん、うつ病を抱える如月の万華鏡のような頭の中を、書き連ねていきます。わわわアールブリュット作家。

自閉症スペクトラム障害の人への対応は?

自閉症スペクトラム障害の人への対応、具体的には?

 

前回までに、自閉症スペクトラム障害の人の特性を、いろいろと取り上げてきました。

 

では、実際に自閉症スペクトラム障害の人に接するとき、どうすればいのか?

ネットを検索してみると、健常者側からの観察による接し方が、沢山載っています。

ですので、ここでは、自閉症スペクトラム障害当事者からのお願いとして、対応方法をご紹介したいと思います。

 

話すときに気を付けること

 話をする時には、分かりやすい言葉を使い、ゆっくり、はっきりとしゃべってください。しかし、決して大きな声で話してほしいのではありません。大声はしんどいので、逆効果です。

 落ち着いたトーンで、ゆっくりめに、はっきりと発音してもらえると、言葉が聞き取りやすいです。また、言葉の理解に少し時間がかかるため、ゆっくり話してもらえると、理解が追い付きやすいです。

 

 分かりやすい言葉を使うといっても、赤ちゃん言葉はやめてください。知能に障害を抱える人も、知能が正常な人もいますので、相手の知的水準に合わせた言葉遣いをお願いします。

 言葉が流暢に話せても、相手の話している言葉の聞き取りが苦手な場合もあります。すらすらとはなしていても、それと同じ速度で話して大丈夫と思わず、ゆっくりはっきりしゃべってもらえると、すごく助かります。

 

また、返事をするまでに少し時間がかかってしまう場合もあります。それは、相手の言っていることを理解し、どう返事をすればいいか考えているからです。

ですから、返事に時間がかかっても、少し待っていただけるとありがたいです。

答えにくそうにしている場合は、選択肢をもらえると、答えやすくなり、助かります。

 

ざわざわした場所で、目の前の聞くべき人の声だけを抽出して聞くということが苦手です。

そのような場所では、まったく話が聞こえず、しかし相手に何度も聞き返すのも申し訳ないので、分かったふりをしてしまうことがあります。

ですから、そのような場所では大事な話をせず、静かな場所で話をしてください。



いけないことをしたときの叱り方

 

 社会のルールが守れないなど、叱らなければならないときがあります。しかし、自閉症スペクトラム障害の子どものしつけは、一筋縄ではいきません。

 

 健常の子どもでしたら、叱るときに少し強めの話し方にするなど、保護者が「怒っている」ことを伝えることもあると思います。しかし、自閉症スペクトラム障害の子どもは、声色で相手の気分を読むことができません。そのため、そういった方法は無意味です。

 

 また、大きな声で怒られると、怒鳴られたことでパニックになってしまい、落ち着いている普段なら理解できることも、まったく理解できなくなります。

 それは、「怒鳴られた」という恐怖がまず頭を占領し、相手の言葉を聞き取るための頭のスペースがなくなってしまうからです。

 

 ですから、何かいけないことをしてしまった時は、その場で、静かな声で取るべき行動を教えてください。「○○してはダメ!」というだけでは、どうしていいのかわかりません。「○○しましょう」と教えてもらえると、どうすればいいのかわかるので、とてもありがたいです。

 

無理に視線を合わせようとしないでください

 

 人と話す時は、相手の目を見ることがマナーだと言われます。しかし、自閉症スペクトラム障害の人にとって、相手の目を見るというのは、とても苦痛を伴う場合があります。

 相手と視線が合うと、とても痛かったり、そわそわしたり、いたたまれない気持ちになります。

 非常に負担になりますので、顔を覗きこんだりして、無理に視線を合わせようとしないように、お願いします

 

 また、一度にいくつもの動作を行うことが苦手という特性があるため、相手の話を聞きとることと、相手の目を見ること、話すことを一度にできません。そのため、相手の話を聞きとるために、視線を合わせない必要があるのです

 目が合わないからといって、話を聞いていないわけではありません。

 視線を交わすことが出来ない体質なんだ、くらいに思っていただけたら、と思います。

 

急な予定変更を避ける

 自閉症スペクトラム障害の人は、見通しが立たないことが苦手です。これから先、何が起こるのか?どこで何をするのか?が分からないと、不安になります。

 ですから、普段から、「これから〇〇をするよ」「そのあとは△△をするよ」「それが終わったら××しようね」と、時系列で予定を教えてもらえると、不安が減って非常に助かります。

 また、そのような特性のために、環境が突然変わってしまったり、予定が変更されてしまうと、見通しがなくなってしまい、恐怖に近い不安の感情が湧きだします。世界が崩壊してしまうくらいの不安です。

 

 ですから、できるだけ急な環境の変化や、予定の変更は避けてください。

 とはいえ、どうしても予定を変更せざるを得ない場合もあるでしょう。その時のために、前もって「こういう予定だけれど、もし何かが起きた場合、今言ったことと違うことをするかもしれないよ」と一言付け加えてください。そうすることで、「そうか、予定が変わることもあるのか」と納得します。

 

また、予定を変更する場合は、直前ではなく、できる限り早く変更を伝えてください。そうしてもらえると、予定の変更を自分で納得する時間が持て、実際に行動するまでに心を落ち着かせることができます。

 予定を変更するときは、変更した後の予定について、写真を見せながら説明するなど、本人が理解できる形で、できるだけ詳しく教えてください。

こだわりに理解を

 こだわりは、自閉症スペクトラム障害の人が、自分を安心させるために必要なことです。それをすることで、自分を落ち着かせることができます。

 多数派さんでも、何か落ち着くためのクセのようなものを、持っていると思います。

 ですので、他人の迷惑になるようなこだわりでなければ、認めてもらえると嬉しいです。

 

否定語ではなく、肯定語で

 

 自閉症スペクトラム障害の人に、何かを伝えるときには、否定語ではなく肯定的な表現を使ってもらえると助かります。

 例えば、歩くべき場所で走り出した子どもを叱るときに「走っちゃダメ!」と言うのが否定です。それに対して、「歩きましょう」と、すべき行動を指示するのが肯定です。

 自閉症スペクトラム障害の人は、「走っちゃダメ!」と言われた瞬間は、止まるかもしれませんが、ではどうすればよいのか?が分からないので、また走り出してしまいます。取ってほしい行動を明示することで、「この場面ではこうする」ということを学べます。

 

 また、自閉症スペクトラム障害の人は否定的な言葉に非常に敏感で、「怒られた!」と心が不安でいっぱいになってしまいます。

 それが積み重なると、「自分は悪い子だ」と思うようになり、自己肯定感が下がってしまいます。自己肯定感の低下は、二次障害を引き起こす可能性があり、非常に厄介です。

 

 否定的な言葉を言われるのが辛いのは、多数派さんも自閉症スペクトラム障害の人も、同じです。



どこで何をするのか、場所を決める

 

 自閉症スペクトラム障害の人は、気分の切り替えや、今すべきことに考えの焦点を合わせることが苦手です。すっと頭の状態が移行しないのです。

 ですから、「ご飯を食べる場所」「遊ぶ場所」「勉強する場所」「休憩する場所」など、一つの場所で一つの作業あるいは動作をするようにすると、今すべきことに集中しやすくなります。

 また、「ここに来たから、ご飯を食べるんだな」などと、理解しやすくなります。

 こういった、作業する場所を分離することを、『物理的構造化』といいます。



一度に提示する情報は、ひとつだけ

 

 自閉症スペクトラム障害の人は、一度に沢山の情報を処理することができません。ですから、何かを説明するときに、写真を見せながらしゃべったり、文章を見せながらしゃべってしまうと、見せられたものに集中してしまい、話が聞けなくなってしまいます。

 物を見ながら話を聞こうとすると、訳が分からなくなります。

 

 ですから、何かを見せながら説明するときは、まずは本人がその物を認識したことを確認し、それをある程度眺めたことを確認してから、説明に入ってください。

 そうすると、目の前に出されたものと、説明とを結び付けて理解することができます。



パニックを起こしたら?

 

 パニックを起こしているときは、本人の安全を確保して、落ち着ける場所で一人にしてください。くれぐれも、沢山話しかけたり、身体に触れたりして、余分な刺激を与えることのないように、お願いします。

 自分である程度対処ができる場合は、落ち着ける場所まで移動して、1人になります。

 自分で対処できない場合は、落ち着ける場所まで連れて行ってください。そして、暫くそっとしながら、様子を見守っていただけるとありがたいです。

 

 パニックから回復し、落ち着いたら、何が嫌だったのか、何に起こっていたのか、どうしたのか、聞いてください。パニックの途中で話しかけられても、頭が感情の嵐でめちゃくちゃになって、何の反応もできません。



感覚過敏に理解を

 

 感覚過敏のある人に、無理にその感覚を体験させないでください。少しずつ慣れていくことも大事かもしれませんが、どうしても無理なこともあるのです。

 受け付けない感覚に関しては、逃げるという手段を取ること、身を守るグッズを使用することに、ご理解をお願いします。


対応は個人個人に合わせた形で

 

以上、いくつかお願いをしました。

これらは、あくまで私の感覚であり、対応方法も個人個人で違ってきます。

当事者の様子を見ながら、適切な対応をお願いします。