kaleidoscope

自閉症スペクトラム障害、ADHD、うつ病を抱える如月の万華鏡のような頭の中を、書き連ねていきます。わわわアールブリュット作家。

常同運動、興味のかたより、こだわりについて

前回の記事で、「ウイングの3つ組」についてお話ししました。

その3つ組の3つ目、「想像力の障害」で取り上げた、常同運動と興味の偏り、こだわりについて、今回はお話ししたいと思います。

 常同運動

・手を目の前にかざして、光をすかして見るように眺める

・手をひらひらさせたり、手を鳥がはばたくようにパタパタと振る(フラッピング)。

・その場でくるくると、バレリーナのように回り続ける。

・つま先立ちで歩く。

・その場でぴょんぴょん飛び跳ねる。

・体を前後に揺する(ロッキング)。

・体を横揺れさせる。

・貧乏ゆすりをする。

 

如月の場合

以上のうち、私自身が取る行動について、解説してみましょう。

手を目の前にかざして、向こうの景色を見るのは、見え方の変化を楽しんでいると解説されます。

実際に、目の前に手をかざしてみてください。そして、そのまま目の前で上下に動かしてみてください。

顔に当たる光の量が変化し、ちらちらと動く、木漏れ日のように感じます。木漏れ日は、とても美しいです。

私は、そう感じます。美しい景色を作り出すために、行っているのではないかと考えています。  

 

手をひらひらさせたり、パタパタと振ることについては、興奮したり不安だったりする時に出る行動だと言われています。

確かに、私自身の感覚としても、興奮していると出やすいと思います。しかし、それとは別に、単に「そこに手があるから」振っているだけ、ということも多々あります。手持無沙汰なときに、なんとなく手遊び感覚でパタパタしていることが多いです。

 

体を横に揺するのは、これも手持無沙汰の時が多いです。暇だから、横揺れをすることで、身体に刺激を与えようとしているように思います。暇を持て余した時に、することがないので身体を揺らしている、くらいの感覚です。

貧乏ゆすりも、似たような感覚です。 

 興味のかたより

 

・光るもの(キラキラしたもの)や回るもの(ミニカーのタイヤや、ベビーカーのタイヤなど)を見つめ続ける。

・一つのことに異様に熱中し、ずっと同じ遊びを続ける。

 

如月の場合

私も、キラキラ光るものや、回るものが大好きです。

キラキラと光るものは、美しいです。太陽からの贈り物である光が、私と戯れてくれるように感じます。

また、回るものはその回転の美しさに目を引かれます。おもちゃの車のタイヤを、飽きずに回し続けることができます。

ギアがかみ合ってぐるぐる回る様子は、その美しさに惚れ惚れします。

 

一つのことに熱中してしまうのは、特性でもあります。これは、「過集中」と呼ばれます。寝食も忘れるほどの長い過集中もあれば、数時間程度の過集中もあります。

しかし、その過集中が時にはとんでもない能力へとつながることもあります。

こだわり

 ・特定のものやキャラクター、記号などに執着する。

・同じ肌触りの服しか着なかったり、いつも同じおもちゃで遊ぶ。

・物を一列に並べる(ミニカーを規則正しく一列に並べて遊ぶなど)

・ものの場所が変わると怒る。

・いつもと違う状況・環境になると、パニックやかんしゃくを起こす(いつもと違う道順をたどると怒るなど)

・同じメーカーのものでないと食べられない

 

如月の場合

こだわりの中には、感覚の過敏に由来するものもあります。

たとえば、同じ服しか着ないのは、感覚の過敏があるために、肌触りが我慢ならない生地があるためです。

 

私自身、学校の制服の生地(特に冬服)が痛くて、着られませんでした。セーラー服だったのですが、首筋に制服の生地が当たり、皮膚とこすれて痛くてたまらないのです。

 

当時はまだ、自分が自閉症スペクトラム障害だなんて知りませんでしたから、我慢して無理やり着ていました。しかし、これは相当なストレスでした。

制服が着られない子には、配慮が必要でしょう。

 

物の場所が変わると怒るのは、物の置き場所が決まっているからです。それは、たいてい「マイルール」です。

本人が勝手に決めた置き場所なのですが、本人にとっては、そのものはその場所になくてはならないのです。少しでも場所が違うと、とても気持ちが悪くて、置き場所を修正してしまいます。

なぜかは分かりませんが、とにかくとてつもなく気持ちが悪いです。

 

いつもと違う状況・環境になると、パニックやかんしゃくを起こすのは、不安だからです。

いつもと同じ状況・環境であれば、これから起こることの見通しがききます。しかし、環境や状況が変わってしまうと、これから何が起こるのか、まったく想像ができなくなってしまいます。

そのため、頭の中が不安でいっぱいになり、怖くて仕方なくなり、パニック状態に陥ってしまいます。そして、時にはイライラが爆発して、かんしゃくを起こしてしまいます。

 

想像力の障害と言われるもの

 

想像力の障害については、傍から見ているだけでは、理解不能な行動が多いことでしょう。

一見、想像力が欠如しているからそのような行動をとるように思われがちですが。

想像力の障害の例として、「見通しがつかないことへの不安」があげられます。

しかし、それは想像ができないから不安なのではなく、実際には、「もし○○が起きたらどうしよう」など、様々な悪いパターンの想像をしてしまって不安になり、パニックになることも多々あります。

想像力の欠如というよりも、想像力の暴走と言った方がいいかもしれません。

 

本人にとってもつらいことである

 

これらの症状は、本人にとっては、とても重要な問題であり、一番苦しいことでもあるのです。

こだわりは、本人が安心して生きるための、本人なりの工夫でもあります。

人に迷惑をかけないこだわりであれば、大目に見てください。

そうすることで、本人は落ち着いていられるのです。

どうか、ご理解をお願いします。

 

感覚過敏に関しては、また後日お話しいたします。